老人ホーム建物周辺の畑がピンク色に染まるころ、恒例行事としてお花見があります。そのお花見に色を添えるのが、私たち調理が作る、お花見弁当です。今年は、残念なことに、光風園の4月8日(水)、ひかり屋形・ひかり横丁の4月15日(水)両日とも天候に恵まれず、お弁当が主役となり、室内で召し上がっていただくことになりました。
お花見の日程が決まると私たちは、日常業務の合間を縫ってメニューを作成、お弁当箱の選定や、食材の吟味を経て当日を迎えます。
光風園のお弁当のテーマは、「お祝い」。この日は、お釈迦様の誕生日でもあり、入所者様の長寿のお祝いを兼ねて、お赤飯にしました。入所者様のお好きな天ぷらは、調理員2人がかりで3種類揚げてもらいました。また、南瓜の煮つけは外せません。春の香りを楽しんでいただこうと、木の芽を添えました。地元のいちご、かつおのだしが利いたすまし汁を用意させていただきました。入所者様は、色鮮やかなお弁当に見入り、舌鼓を打ち、「おいしい」と普段以上に笑みを浮かべ、召し上がっていらっしゃいました。
ひかり屋形・ひかり横丁のお食事は、ひかり屋形の厨房で作っています。高齢者の食べやすい硬さの食材を吟味し、春の花見にふさわしい色目、また華やかになるよう心掛けました。また、介護職員のアイデアで、今年のデザートは、甘味。桜もちを用意しました。ミキサー食を召し上がっている入所者さまにも、同じ弁当箱で、用意しました。ソフト食を活用し、料理の味が混じらないように、一工夫をしてみました。ひかり横丁へお弁当を運搬するため、利用者様の食事形態や量が一目でわかるように、蓋へシールを貼り、間違いなく利用者様のお口に入るよう心掛けました。召し上がられた方からは、「とても記念に残る、良い弁当でした」、「花型人参がかわいらしく、童心に戻りました」、「一つ一つの味付けが良く、全てが軟らかく食べやすかったです」、「お弁当箱が素晴らしい」などと、いろいろなお声をいただきました。
お弁当を喜んでいただき、調理一同嬉しく思いました。来年の春は、お外で召し上がっていただけますように、と心から願っております。